『犬、飯まだかぁ~』
『もう少しで出来るッス。座って待っててくださいッス』
ここは天空の城ユーリ城である。
城の主は我儘な吸血鬼ユーリ。
この城にはユーリ以外にもシェフのアッシュやパンプキンKINGのスマイルが
暮らしている。
ユーリは自由気ままで気まぐれな吸血鬼なのである。
『できたッス!アッシュ特製スペシャルお好み焼きッス』
『うぉー!!うまそぉー!!』
ユーリはできたてのお好み焼きに食いついた。
『ゆぅりぃ~!!』
『うぉッ!?』
パンプキンKINGであらせられるスマイル様が
自称最強の吸血鬼ユーリに抱きついた。
『すまいるッ!!お前の頭のカボチャどけろ!痛い(怒)』
『あっ。ごめんねぇ~』
誠意がみられぬスマイルの謝罪にユーリの怒りMAX!!
『すぅまぁいぃるぅ~~~(怒)!!』
『スマッ!ヤバイッス!!』
『逃げろぉ~~!!』
『まてぇ~~~!!』
なんかいつもアホな喧嘩ばかりしているのである。
『ユーリさん・・・・・。おはようございます・・・・・』
『うわぁ!?』
『そ、そんな驚かなくても・・・・(泣)』
『あー!!ゆぅりがかごちんなかしてるぅ~。いけないんだぁ』
『うっさいわ!!アホッ!!』
ボコッ!!
『うわぁ!?大丈夫ッスか?ユーリ!!スマに何するんスか!!(怒)』
『ほう・・・。犬の分際で私に口答えするのか?』
『いや・・・・。えぇ・・と・・・その・・・』
『犬ッ!!』
『はいぃっ!?』
『そのくそパンプキンを捨てておけ』
『えっ!?』
『あっ・・・・はい・・・』
ユーリにはさすがにアッシュでも敵わないのである。
『みなさん・・・・。私の存在もう忘れちゃったんですか?』
『や。忘れてねぇよ。で?かごめは何の用?』
『あの・・・・。用ってほどでもないんですが・・・・。
ポストに手紙が入っていて・・・・・。届けにきたんです』
『どれどれ・・・・?』
拝啓 ユーリ様
いきなりですが、私貴方の事が好きです★
歌う姿がとてもカッコいいので
好きになりました。
もしよければ付き合ってくださいッ!!
『・・・・・・。えええぇぇぇぇ――――!!!』
『ゆぅりぃ~。どったの?』
『こ、これ・・・・・』
『?』
『・・・・・』
『ええええぇえええ――――ッ!!』
『あの、我儘で気まぐれで俺がいないと何にもできない
あのユーリが!!ラブレターもらったって・・・・』
『えぇーー!!いいなぁ~』
『フッ!分かる人には分かるのさ。
俺のカッコよさが!!』
『俺には一通も来てないっス・・・・・(泣)』
『ボクは毎日200通ぐらいきてるよぉ~』
『ず、ずるいッス!なんで俺だけ・・・・・』
『まぁ、泣くな犬!だが、今大きな問題が発覚した!』
『問題ぃ~?』
『そうだ。この手紙には差出人が書かれていない!』
『な、なんと』
『犬ッ!パンプキンッ!』
『ハイッッ!!』
『今すぐこの手紙の差出人を見つけろ!!』
『イエッサー。隊長ッ!!』
『うむ。期待しているよ諸君』
『それでは行って参ります★』
それからユーリへのラブレターの差出人を探す冒険が始まったのである。
『ジズさん。ユーリへのラブレターの差出人知らないッスか?』
『知りませんねぇ~。シャル、貴女は知ってますか?』
『ゴメンなさい。差出人は分からないんですけど・・・。
「歌う姿がカッコいい」って書いてあるなら
いつも、ユーリ城を見ている人だと思います。
それならユーリ城の近くに最近できた
店があるんですけど、そこに確かムラサキさんが
いたかと・・・』
『分かりましたッス。ありがとうございますッス☆』
『いえいえ・・・・。見つかるといいですね』
『はいッス』
― その頃スマイルは ―
『ごっくん!お団子おいしいねぇ~』
『そぉだねぇ~』
スマイルはまったく捜索していなかったのである。